当ページでは、「アリアドネの声」について、あらすじや感想を載せます。
ネタバレを含む部分と、含まない部分があるので、まだ「アリアドネの声」を読んでない方は、
目次の ネタバレなし と記載された部分を閲覧することをお勧めします。
アリアドネの声 湊かなえ
引用:https://m.media-amazon.com/images/I/91UhB3tGooL._SY522_.jpg
あらすじ (ネタバレなし)
バリアフリーを実現した地下都市「WANOKUNI」近辺で巨大地震が発生。
地下では火災、崩落、浸水が始まる。そして一人の人物が取り残された。
彼女は、見えない、聞こえない、話せない、という3つの障がいを抱えていた。
救助隊も侵入不可能な状況の中で、かつて救えたかもしれない兄を亡くした青年 春生は、ドローンでの救出を図る。
無理だと思ったら、そこが限界なんだよ
主な登場人物 (ネタバレなし)
- 高木春生 タラリアの社員、ドローンの操作に長けている
- 花村佳代子 タラリアの社員、春生の新人時代の教育担当、一児の母
- 我聞庸一 タラリアの社員、春生の先輩
- 韮沢粟緒 地方のウェブ制作会社の社員、春生の高校の同級生
- 韮沢碧 粟緒の妹、失声症
- 中川博美 殿山知事の姪、見えない・聞こえない・話せない 三重障害を持つ
- 伝田志穂 中川博美の通訳者、介助者
- 火野誠 消防士長、春生を教官と呼んでいる
- 佐伯茉莉 消防士
- 長井貞治 消防士令
感想・レビュー (ネタバレなし)
読む前に、あらすじを見たりしたときに
このお話はどんなジャンルなんだろう と思っていました。
読んでみて改めて考えると、ミステリーだなと感じました。といっても、犯人がいるだとか、真相を暴くだとか、そういったことに焦点がおかれて話が進むわけではないです。
読み進める中で、物語が進むにつれて、もちろん緊迫感はましていくわけですが、それを凌駕するような疑念、疑惑に囚われていきました。
ラストにてすべてが明かされた時の感覚をぜひ味わってほしいです。
注意 これより↓↓はネタバレを含みます
※感想・レビュー (ネタバレあり)
小説を読んだ人だけ読んでください。ネタバレ注意です!
ラストのオチは、勘のいい人やミステリーをかなり読んでいる人などの一部の人は気づいていたようですね。自分は全く気づきませんでした。というより違ったことを予想してました。でも大外れだったおかげで、スカっとした気分になれました。
碧ちゃんが行方不明になったということと、中川さんの目が見えているかもしれないという疑念、ドローンの視覚機能が失われているという点から、
今誘導しているのはもしかして碧ちゃん? みたいなことを考えて、
だとすると中川さんは、、、とかよーく考えたら辻褄が合いそうにないことを想像してました。
熱反応を示すリュック? が伏線だったとは思いませんでした。
見えない、聞こえない、話せない人 と 声が出せない、歩けない人 が、常に自分のことではなく他人のことを助けようと思った結果、
二人の足りない部分を補う形で脱出できたという事実に、それまでの目が見えてるんじゃないかとかいう疑念があほらしく感じました。
あの暴露系ク〇ユーチューバーとかには心底腹が立ちましたが、疑念を抱いたのは読者である自分も同じだったので、なんともいえないです。にしても腹は立ちますけどね。
とにかく、ハッピーエンドでよかった。
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